影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか
人から承諾を引き出す技術に関しての本。
日常の判断を行うときに私たちが使う、心理的な思考の近道(判断のヒューリスティック)を分類してまとめている。
以下、自分用読書メモ
第1章 影響力の武器
第2章 返報性
第3章 コミットメントと一貫性
第4章 社会的証明
第5章 好意
第6章 権威
第7章 希少性
第8章 手っ取り早い影響力
第1章 影響力の武器
人間の社会生活に降りかかる刺激は複雑さと多様さを増しているため、思考の近道に頼る以外には対処のしようがない。
「判断のヒューリスティック」= 日常の判断を行うときに私たちが使う、心理的な思考の近道
「手っ取り早い」反応の利点は、その効率性と経済性にある
貴重な時間やエネルギー、精神力を節約できる
この反応の欠点は、愚かで高くつく間違いを犯しやすくなることにある
第2章 返報性
人間文化の中で最も広範囲に存在し、最も基本となっている規範のひとつ
恩恵を与えてくれた人に対して将来お返しをせずにはいられない気持ちになる
最後に断るより
特徴
・非常に強い力を持っている
・望みもしない行為を最初に相手から受けた場合にも適用される
→借りを作る相手を自分で選びにくくなり、その選択を他者の手に委ねることになる
・不公平な交換を引き起こす
→恩義を受けっぱなしにしているという不快な感情を取り除こうとして、受けた親切以上の頼みを聞いてしまうことが多い
試供品とか..タダより怖いものはない
応用
ドア・イン・ザ・フェイス
極端に大きな要求を最初に出し、次にそれよりも小さな要求に引き下げる
要求の引き下げが譲歩に見える
相手が承諾する傾向が強まるだけでなく、相手がその要求を実行し、将来の同じような要求にも同意する傾向が強まる
知覚のコントラストもはたらく
対処
最初の新設や譲歩は誠意を持って受け入れ、後で計略だと分かった時点で、それを計略だと再定義できるようにしておく
第3章 コミットメントと一貫性
ほとんどの人には自分の考え方、行為を一貫したものにしたいという欲求がある
コミットメント(自分の意見を言ったり、立場を明確にしたりすること)をしてしまうと、人はそのコミットメントに合致した要求を受け入れやすくなる
効果的にはたらく場合
- 行動を含む
- 努力を要する
- 広く知られる
- 自分がそうしたかった(強制されたのではない)と考えられる
紙に書かせるとかも効果的
コミットメントへのご褒美は、あまり大きいものをあげてはいけない
自分がそうしたかったのではなく、報酬目的だと理由付けできてしまうから
見返りで満足させないことで、人は自分のコミットメントへの理由付けをより自責的なものにする
多くの場合、人は自分がしたコミットメントに、その正しさを示す新しい理由や正当化を付け加える
個人主義的な社会で効果を発揮しやすく、年を重ねるほど囚われやすい
応用
「承諾先取り方」
一度偽りの有利な条件を提示してコミットメントさせ、承諾の手前の段階で有利な条件を取り除く
一貫性により、後戻りさせない...
「新人いじめ」
苦労してコミュニティの一員となったメンバーほど、忠誠心や満足度が高い
特に、いじめのように特に報酬がない苦労の場合、自分の意思で選んだのだと正当化しがち
あとはいわゆるイエスセットとか
「最後に断るよりも最初から断る方が簡単だ」
対処
胃と心の奥底から送られる合図に耳を澄ませる
相手に対して、こんな風に丸め込まれそうになっているのは、馬鹿げた一貫性を保とうとしているからであり、自分はそんなものにこだわりたくないと説明する
「今知っていることはそのままにして時間を遡ることができたら、同じコミットメントをするだろうか」という質問を自分に問いかける
最初に湧き上がってきた感情に従う
第4章 社会的証明
特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断する
テレビ番組の演出の録音された笑い声とか
「皆が同じように考えているときは、誰も深く考えていないときである」
人が多く、責任が分散されるほど自分で判断しなくなる
集合的無知
特徴
以下の二つの条件下で強い影響力を発揮する
1.不確かさ
自分の決定に確信を持てない、あるいは状況が曖昧なとき
2.類似性
自分と似た他者のリードに従う傾向がある
対処
自分と類似した他者が行っている、明らかに偽りの証拠に対して敏感でいる
自分の行動を決定する際には、築地した他者の行動だけを決定の基礎にしない
第5章 好意
人は自分が好意を感じている知人に対してイエスという傾向がある
承諾誘導の専門家たちは、自分の全体魅力を高めるようないくつかの要因を強調し、自らの影響力を強めている
身体的魅力
ハロー効果を生じさせ、才能や親切さや知性といった他の特性に関する評価を高めている
類似性
私たちは自分と似た人に好意を感じ、そのような人の要求に足しては、あまり考えずにイエスという傾向が強い
名前が似てるだけとかでも
賞賛
お世辞は一般的に好意を高め、承諾を引き出しやすい
接触
馴染みを持つようになることも、好意を促進しやすい
不快な環境ではなく、快適な環境の中で接触が起こる場合に当てはまる
悪いことや良いことと繋がりを持つだけでも効果がある
論理的なつながりはなくても良い→ランチョン・テクニック
相互の協力によって成功がもたらされる場合に特に強くはたらく
連合
自分自身や自分自身が扱う製品と望ましいものを結びつける
対処
承諾を引き出そうとしてくる相手に対して、過度の好意を持っていないか敏感になる
相手と相手の申し出の内容を心の中で切り離す
第6章 権威
私たちの社会には、権威からの要求に服従させるような強い圧力が存在する
本当の権威者は優れた知識と力を持っているはずなので、大抵の場合は正しい判断であることが多い
権威の実態ではなくシンボルに反応してしまうことも多い
- 肩書き
- 服装
- 自動車
肩書き...教授とか
服装...警官の制服とか
対処
以下の二つの問いかけ
・この権威者は本当に専門家だろうか
注意を権威のシンボルからそらし、権威者の地位を示す証拠へと目を向ける
・この専門家は、どの程度誠実なのか
最初、自分自身にとって少し不利な情報を私たちに提供し、信頼を増そうとする手口もある
第7章 希少性
人は、機械を失いかけると、その機械をより価値あるものとみなす
「数量限定」や「最終期限」といった承諾誘導の戦術
人は、あるものが失われてしまうと考えるときの方が、同じくらいの価値のものが手に入ることを考えるときよりも、強く刺激される
特徴
情報の場合でも、もしそれが他では手に入らないと見なされた時には説得力が増す
ある主張の情報を対抗勢力が制限するだけで、その主張の賛同者が増えたりする
以下の2つの場合により強くはたらく
・ある品が新たに希少なものとなった場合
私たちは、すでに制限されているものよりも、新たに制限されるようになったものの方に、より価値を置く
・他人と競い合っている場合
競売とか
人が希少性の高いものに最も強く惹きつけられるのは、このとき
対処
思考を困難にしてしまうような情動を引き起こす性質を持っているため、冷静さを失わずにいるのは難しい
まず興奮を鎮め、次になぜそれが欲しいのかという観点からその機械の利点を評価する
第8章 手っ取り早い影響力
私たちが思考の近道によって得られる利益を失わずにいるためには、あらゆる適切な手段を使って、そのようなインチキに対抗することが重要である。
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